ピカソ館(彫刻の森美術館):国内有数のピカソコレクションを見逃すな!

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彫刻の森美術館には見どころが多く、いろいろな楽しみ方ができますが、国内でも有数の希少価値の高いコレクションが見られる場所として外せないのが「ピカソ館」ではないでしょうか。彫刻の森美術館の屋外展示場を進んでいくと、自然豊かな緑で彩られた生垣の先に、優美な曲線を描く白亜の建物が見えてきます。

ピカソ館(彫刻の森美術館)

ピカソ館(彫刻の森美術館)

どどーんと目立つ”PICASSO”の文字が目に飛び込んできますが、これだけド派手に「ピカソ」を前面に押し出すのにはワケがあります。彫刻の森美術館ではピカソ作品のオリジナルを300点以上所蔵しており、定期的に展示替えは行われているものの、ここピカソ館では常時たくさんのピカソ作品を見ることができるのです。ピカソ作品の所蔵点数は、日本国内でもかなり多い方なのではないかと思います。

ひとくちにピカソ作品と言っても、種類はさまざま。ピカソは生涯で15万点もの作品を製作したと言われており、油絵だけでなく版画、彫刻、自身の手による原画をもとにタピスリー(織物)、ジェマイユ(ステンドグラス)を製作し表現を広げるなど、多彩な活動を行っていました。特に、ここではピカソが65歳を過ぎて製作に没頭した陶芸作品を約200点も所蔵していることが特徴です。これほどまとまったピカソの陶芸コレクションを見られる場所はなかなかないので、本当に貴重です。

もともとこれらの陶芸作品は、ピカソが亡くなるまで手元に置いていたもので、ピカソの娘マヤが相続しました。彫刻の森美術館のスポンサーであるフジサンケイグループの美術品収集を担当していた方にマヤから打診があり、陶芸作品のまとまったコレクションが彫刻の森美術館で所蔵されることになったのだそうです。娘に託した品々ということは、ピカソ自身が愛着を持っている作品ばかりだったのではないでしょうか。そんな思い入れの強い作品が日本でいつも見られるなんて、本当にありがたいことです。

わたしが訪れた時には、ちょうど「ピカソの挑戦ーかたちの変貌ー」(公式サイト:https://www.hakone-oam.or.jp/permanent/?id=938153)が開催中でした。

ピカソの油絵作品は他の美術館でいくつか見たことがありましたが、陶芸は初めてでした。色彩が豊かで、ピカソの出身地であるスペインの陶器を彷彿とさせます。なかでも印象的だったのは、丸皿に様々な表情の顔が描かれた「顔」シリーズ。怒った顔、笑った顔、すました顔…どれもなんだかコミカルな表情をしていて、土ならではの素朴な質感も相まって自然と顔がほころんでしまいます。何かに似ているなぁ…と思ったら、「芸術は爆発だ!」の岡本太郎さんの作る顔でした。岡本太郎さんはピカソから多大な影響を受けたと言われているので、この「顔」の作風からも多くのインスピレーションを得たのかもしれません。

また、自身が描いた油彩画を別の素材を使って表現するという挑戦の系譜が面白かったです。ひとつの絵画を描き終わったらそれで満足するのではなく、ガラスを使って表現したらどうなるか(→ステンドグラス作品に)、織物で表現してみたらどうか(→タピスリーに)…。ひとつの表現で飽き足らず、貪欲に新たな作風を開拓していく様子がよく分かりました。ここで所蔵されている油絵は確かに少数ですが、陶芸、ガラス、ブロンズ作品などピカソの多様な作風をまとめて見られるという点でとても価値あるコレクションだと思います。う~ん、このピカソ館だけでも入館料1600円の価値は十分にあるのに、他の野外彫刻も見られるとは、なんとお得な美術館なんだ~と感動してしまいました。

ピカソ館は彫刻の森美術館の一番奥にあり、そこそこの距離を歩かなければいけないのでちょっと大変ですが、それだけの価値ある展示で出迎えてくれます。珠玉のピカソコレクション、彫刻の森美術館へ行くのならぜひお見逃しなく。

彫刻の森美術館

所在地:〒250-0493 神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
公式サイト:https://www.hakone-oam.or.jp

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