三国志展①:三国志ファン全員集合!名場面が集結、1800年前の英傑たちに思いを馳せる。グッズも充実。

特別展 三国志(東京国立博物館)
特別展 三国志(東京国立博物館)
アート

1800年前の中国。そこは後漢王朝が衰退し、黄巾族による略奪・暴行などの無秩序がはびこる乱世。ここに志高き英傑たちが立ち上がり、中国統一を目指す…

中国西晉時代(3世紀末頃)に成立した歴史書「三国志」は、史実に様々な脚色が施され、創作歴史小説「三国志演義」として後世にわたって大人気となり、日本でも小説、漫画、ゲーム、アニメなどで大ヒットしています。

わたしは横山光輝先生の漫画「三国志」からファンになりました。そんな三国志ファンにはたまらない!「特別展 三国志」が東京・上野の東京国立博物館での展示を終え、2019年10月1日〜2020年1月5日まで福岡県太宰府市の九州国立博物館で開催されています。キャッチコピーは「いざ、リアル三国志へ参らん」ということで、近年の発掘調査から明らかになった歴史的事実から三国志を紐解いていこうという企画展です。

特に目玉のひとつは2008年に発見された曹操の墓から出土した品々。そのほか、各所から出土した同時代の武器、装飾品、印、鏡、食器などの生活必需品から豪傑たちの活躍や生活ぶりに思いを馳せることができます。

1記事ではまとめきれないほどのボリュームでしたので、まず本記事では三国志の名場面に関連した展示品と、グッズ情報などをまとめたいと思います。

※この種の企画展には珍しく、本展はすべて写真撮影OK。カメラの持参をお忘れなく!

1. 漫画、ゲーム…三国志関連コンテンツ一挙出し!いざ、三国志ワールドへGO!

誰もが楽しめる歴史ロマン。

ひとくちに三国志が好き!と言っても、最初にこの物語に触れたきっかけは人それぞれ異なるのではないでしょうか。漫画、ゲーム、歴史小説、アニメなど、三国志をテーマにした作品はたくさんありますが、本展ではすべての三国志ファンが楽しめる趣向が凝らされています。

  • 漫画・三国志(横山光輝作)
横山光輝作「三国志」原画(桃園の誓い)

「三国志」原画(桃園の誓い)

入口を入ってすぐに出迎えてくれるのは、横山光輝先生の漫画「三国志」の原画「桃園の誓い」。劉備、関羽、張飛の3名が運命的な出会いを果たし、義兄弟の契りを結ぶ胸アツな場面です。すべてはここから始まるんですよね…。

入口だけでなく、各セクションにも名場面の原画が展示されているのでお見逃しなく!

  • NHK人形劇「三国志」

1982年~84年にかけてNHKで放映された人形劇「三国志」の人形も展示されています。例えば、下記画像は諸葛亮(孔明)。手にはトレードマークの羽毛扇が。衣装や顔面のつくりまで、ものすごく精巧にできています。

NHK人形劇「三国志」諸葛亮(孔明)

NHK人形劇「三国志」諸葛亮(孔明)

  • 「真・三國無双」のキャラクターになれる!武将メーカーが楽しい

展示会場の外に「武将メーカーコーナー」があります。これは自分の顔をゲーム「真・三國無双」のキャラクターにしてくれるというもの。画面に立つと、顔を認識して武将にしてくれます。

「真・三國無双」武将メーカー

「真・三國無双」武将メーカー

わたしでも、豪傑になれました。ものすごく勇猛な感じ(張飛?)になりましたが、まったく原型はとどめておりません。ちなみに、同行者はメガネをかけていましたが、メガネのまま武将になっていました。

2. 三国志の現代への影響。神になった関羽と三国志関連美術品

関羽の忠義にシビれるエピソード…神様になった関羽

関羽像(明時代・15〜16世紀)新郷市博物館

関羽像(明時代・15〜16世紀)新郷市博物館

関羽は現在でも忠義の神様として崇められています。その理由はやはり、曹操の捕虜となった際、曹操から破格の厚遇を受けながら劉備に対する忠義を貫いたからではないでしょうか。「三国志演義」では曹操が関羽の武勇と忠義に惚れ込み、どうにか関羽を自分の部下にできないかと役職を授け、名馬「赤兎馬」や金銀、豪奢な衣服、女官を贈りますが、関羽はそれを個人では受け取らず、共に捕虜となった劉備の夫人にすべて差し出してしまいます。そして劉備が生きているとの知らせを受け、なんの未練も残さずあっさりと曹操のもとを去っていきます。その時の去り際がまさに「立つ鳥、後を濁さず」でカッコいい。仮住まいしていた屋敷を掃除し、曹操から受け取った品々をひとつ残らず目録をつけて残し、女官もすべて置いて行きます。そして劉備の夫人たちと共に、劉備の元へひた走るのです。

ふつうは曹操からここまで手厚い待遇を受けていれば、「曹操の部下になった方がトクかな」と思ってしまいますが、そこでためらうことなく劉備に対する忠義を貫くところが人の心を打つのです。

そして本展では、関羽を祀った関帝廟の壁画(内蒙古博物院所蔵)が展示されていますが、そこにも関羽vs曹操の名場面が。「曹操、覇橋で袍を進ず」です。

関帝廟壁画(清時代・18世紀)内蒙古博物院

関帝廟壁画(清時代・18世紀)内蒙古博物院

関羽は曹操のもとを去る際、別れの挨拶をしようと訪ねますが、面会謝絶の札が屋敷に掲げてあり面会が叶わず、そのまま出発してしまいます。部下と共に後を追った曹操は、関羽に餞別の品として錦の袍衣ひたたれを贈ります。関羽は劉備夫人と自身の身の安全を保つため、劉備夫人の車を先に行かせ、自分はひとりで守りに適した橋の上で曹操と対峙します。そして、目上の曹操に対し下馬せず、武器として持っている青龍刀の先で袍衣を受け取り、「さらば」と去っていくのです。「何と無礼な!」と怒る曹操の家臣に対し、曹操自身は名残惜しそうに見送るのみ。そして曹操は、都へ帰る道すがらもひたすら関羽という人物を惜しむのでした。

曹操の熱意が関羽の忠義に敗れた瞬間です。

1800年にわたって人の胸を打つ、三国志の名場面

  • 張飛、関羽に怒る

数々の苦難を乗り越え、曹操のもとを去った関羽は張飛と再会します。その際、「曹操と劉備の二君に仕えた裏切り者!」と関羽に怒り狂い、周囲のとりなしにも耳を貸さない張飛。折しも攻めてきた敵軍の大将を関羽が難なく討ち取ることで、ようやく関羽を信用し、張飛は「すまぬ」と謝るのです。本展では張飛が関羽に平謝りしている関羽、張飛像(清時代・18世紀、天津博物館)が展示されており、申し訳なさそうな張飛の表情に思わず笑ってしまいます。

関羽、張飛像(張玉亭作、清時代・19世紀)

関羽、張飛像(張玉亭作、清時代・19世紀)

  • 趙雲の一騎駆け

曹操軍から敗走した劉備は、曹操軍の伏兵の襲撃に遭います。劉備軍が逃げ惑う中、夫人と嫡男の阿斗(のちの後継者である劉禅)が逃げ遅れてしまいます。気づいた劉備の部下・趙雲は大量の曹操軍の中をただ一騎駆けてゆき、まずは一夫人を救い出した後、再度敵軍に乗り込み、負傷した糜夫人と阿斗を探し出します。足手まといになってはと、糜夫人は井戸に身を投げ、趙雲は阿斗を身にしっかりと抱いて敵軍の将をなぎ倒しながら阿斗を救出するのです。勇猛果敢な武勇と、危険を冒しても主君の妻子を助けようと奔走する忠義に心打たれます。

本展では清時代に作られた趙雲像(清時代・17~18世紀、毫州市博物館所蔵)が展示されており、腹部にはしっかりと巻きつけられた小さな阿斗が見えます。

趙雲像(清時代・17〜18世紀)毫州市博物館

趙雲像(清時代・17〜18世紀)毫州市博物館

そのほかにも劉備が隠遁生活を送る諸葛亮(孔明)へ協力を要請する「三顧の礼」や、張飛が悪徳役人を徹底的に懲らしめる「張飛、督郵を打つ」など、名場面を描いた美術品が満載。三国志のエピソードが後の時代に大きな影響を与えてきた歴史がよくわかります。

3. グッズも充実!

三国志ファンには垂涎の、グッズの数々が揃っています。これは散財必至かも。

①漫画・横山光輝先生の「三国志」グッズ

名カットをモチーフにしたトートバッグ、手ぬぐい、Tシャツ、マグネットなどなど。ガチャもありました!

横山光輝「三国志』トートバック

横山光輝「三国志』トートバック

 

横山光輝「三国志」関連グッズの数々

横山光輝「三国志」関連グッズの数々

②ゲーム「真・三國無双」関連グッズ

クリアファイルやポストカードなどなど、イケメン武将が勢揃い。

ゲーム「真・三國無双」関連グッズ

ゲーム「真・三國無双」関連グッズ

③名馬、赤兎馬がぬいぐるみに!

かつて董卓の配下にいた呂布が乗り、その後曹操から関羽へ送られた名馬、赤兎馬。一日千里を走るという名馬ですが、こんなゆるキャラになってぬいぐるみになっています。

赤兎馬 ぬいぐるみマスコット

赤兎馬 ぬいぐるみマスコット

サイズは15cmほどで、いわゆるぬいぐるみバッジとしてバッグなどに付けられる大きさ。かわいい…


名場面やグッズがてんこ盛りで、三国志ファンには外せない展覧会です。次の記事では、本展のメインとなる「リアル三国志」、つまり最新の発掘調査で発見された同時代の出土品についてまとめつつ、英傑たちの活躍をリアルにイメージしてみたいと思います。↓

孔明が10万本の矢を集めた「覆面の船」再現セット。

三国志展②:英雄たちのリアル、ここに有り。話題の曹操高陵出土品を見逃すな!

2019-07-11
特別展 三国志

【九州国立博物館】
会期:2019年10月1日〜2020年1月5日

公式サイト:https://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s56.html

【東京国立博物館】
会期:2019年7月9日〜9月16日<終了>

公式サイト:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1953