鉄瓶のデメリットは湯垢を育てて解決!赤錆対策は先手必勝。(南部鉄器の鉄瓶使用2週間後レビュー)

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やかんを断捨離すべきか、あれこれ考えた末に購入した南部鉄器の鉄瓶。購入するまでの紆余曲折は過去記事にまとめましたが、毎日2回の頻度で使い始めて2週間以上が経ちました。結論からいうと「コレは買って良かった!」と思っているのですが、今まで使っていたステンレスのやかんと違い、使い方には注意が必要だなと思いました。特に鉄瓶のデメリットのひとつである赤さびを防ぐための対策。これは鉄瓶を使い始めるときにある対策をすることで、かなり快適に鉄瓶ライフを送れると感じています。そこで、わたしが使い始めてから気をつけたことと、使ってみて感じたメリット・デメリットをまとめていきたいと思います。

1. 南部鉄器の鉄瓶が届いた!

届いた鉄瓶はこちら。南部鉄器の老舗メーカー、岩鋳さんの伝統工芸品です。ちなみに急須タイプのものではなく、湯沸かし専用の鉄瓶を購入しました。

岩鋳 鉄瓶 7型アラレ(IH対応)0.9L

岩鋳 鉄瓶 7型アラレ(IH対応)0.9L

岩鋳 鉄瓶 7型アラレ(IH対応)0.9L

自宅ガスコンロの五徳での安定性を考え、底が平らで底面積が広いIH対応タイプを選びました。

岩鋳 鉄瓶 7型アラレ(IH対応)0.9L

岩鋳 鉄瓶 7型アラレ(IH対応)0.9L

2. 使用するうえで注意した4つのこと

南部鉄器の鉄瓶には使用説明書がついているので、基本的にはそれに従いましたが、使いながら自分なりに最適な使い方を研究していきました。特に鉄瓶の大敵は水分なので、表面に水分を残さない使い方を追求しました。

2-1. 鉄瓶の内部は触らない

使いはじめの1回だけ軽く水ですすぎましたが、それ以降は鉄瓶の内部を一切触っていません。理由はサビを防ぐためです。下手に素手で触ったり、スポンジで擦ったりして傷をつけるとかえってサビの原因となります。

2-2. ガスコンロの火力に注意

鉄瓶をガスコンロで加熱する際、火力が強すぎると火が底面からはみ出て鉄瓶の側面に直接火が当たり、側面が焼けてしまいます。そこで、ガスコンロの火力を調節して底面だけに火が当たるようにして使いました。

2-3. 加熱後の鉄瓶は熱いので注意する

加熱後の鉄瓶は本体だけでなく、ツル、蓋もかなり熱くなっています。火傷防止のため、必ず両手にキッチンミトンをはめて取り扱うことが重要です。

2-4. 使用後は余熱で完全に乾燥させる

熱いうちに中の湯を空にし、蓋を開けて本体内部を余熱で完全に乾かします。また、蓋の内側に付着した水分が自然に乾燥しなかったため、毎回蓋の水分をペーパータオルで拭き取るようにしました。

2-5. ガスコンロ上に放置しない

以前ステンレスのやかんを使用していた時の反省でもあるのですが、ガスコンロ上に置いておくと調理中の油や水分がはねて表面が汚れてしまうので、ガスコンロとは離れた場所に鉄瓶置き場を作りました。

鉄瓶は重いため、例えば足の上に落下したりすると大惨事になります。そこで、落下防止のために無印良品のステンレスバスケットを用意し、そこに布製の鍋敷きを敷いて鉄瓶を置くようにしました。これで熱い鉄瓶を置いても落ちにくく、鍋敷が柔らかいのでキズ防止にもなります。そして密閉されていない場所に保管しているため、乾燥しやすいというメリットもあります。

こうして専用の置き場所を作ったことで、鉄瓶の外面はキレイなまま保たれています。

基本的には使って乾燥させておくだけなので、保管場所さえ確保すればメンテナンスは楽です。

鉄瓶を使ううえで気になるのは、赤錆が発生しないかということ。いったんサビが出てくるとサビ取りが大変なようなので、できるだけサビが出ないように気をつけたいところです。上に書いた5つの注意を守れば、鉄瓶の表面に水分が残らないのでサビの発生が抑えられます。それに加えてわたしは購入直後から徹底的にサビ対策を行いました。

3.赤錆対策と、その結果。赤錆対策は先手必勝!

鉄瓶を使い続けると発生する赤錆は人体には無害ですが、お湯を濁らせることもあるようなので赤錆を発生させない対策が重要です。そこで、独自のサビ対策を行いました。それは、使用開始直後から硬水ミネラルウォーターを湯沸かしに使うという方法です。

3-1. 硬水ミネラルウォーターで鉄瓶の赤錆対策

鉄瓶の赤錆対策で重要なのは、とにかく内部に湯垢の膜を作ることです。「湯垢」というと汚い印象があるかもしれませんが、湯垢の正体は水中に含まれているミネラル分(カルシウムやマグネシウム)で、人体に無害です。むしろ鉄瓶の内側を湯垢の膜が覆うことで、鉄サビが発生するのを防いでくれます。

「それなら、できるだけ早く鉄瓶の内部に湯垢の膜を作ってしまえばいいのでは?」とわたしは考えました。最速で湯垢を作るためには、原料となるミネラル分の多い水で湯沸かしをすればいいはず。水に含まれるミネラル分を表す指標は「硬度」です。日本の水道水は硬度が低い軟水ですが、ヨーロッパの水は硬度が高く硬水と呼ばれます。そこでヨーロッパ産の硬水ミネラルウォーターの中で、最も硬度が高いものを探し、「コントレックス」に行き着きました。

ヨーロッパ産のミネラルウォーター としてはエビアン、ヴィッテル、ペリエなどがよく知られていますが、その硬度は300~400程度。それに対してコントレックスの硬度は1468。日本のスーパーで手に入るミネラルウォーターの中で最も硬度が高いもののひとつと言えます。さっそくこれを使って湯沸かしをしてみると、沸騰してすぐ火を止め、中の湯を空にするだけで白い湯垢がつきました。これを毎日繰り返していくと、2週間後にはこんな感じに。

硬水ミネラルウォーター、コントレックスを使うと、最速で鉄瓶に湯垢ができる

硬水ミネラルウォーター、コントレックスを使うと、最速で鉄瓶に湯垢ができる

2週間後の写真では多少赤錆の斑点が出ていますが、先に白い湯垢の膜ができているのであまり錆が広がっている感じがありません。このように、購入直後からコントレックスで湯沸かしを続けると短期間で湯垢の膜ができ、赤錆の発生が抑えられて良いと思います。まさに先手必勝!

3-2. 硬水を使った赤錆対策の、思いがけないメリット

わたしは勢い余ってコントレックスを1ケース(1.5L×12本)買ってしまったので、いまだに硬水で沸かしたお湯でコーヒーを飲んでいますが、思いがけず嬉しかったのは硬水で淹れたコーヒーがとても美味しかったこと。一般的に紅茶やコーヒーは硬水で淹れた方が美味しいと言われており、ヨーロッパで紅茶やコーヒーの文化が発達したのは、水道水が硬水だったからなのだとか。今回初めて硬水で淹れたコーヒーを自宅で飲みましたが、舌あたりがとろっとしていて香り高く美味しい。フランスへ旅行した時に飲んだコーヒーの味でした!日本の水道水でも美味しいのですが、ちょっと外国気分が味わえて思いがけず楽しくなりました。

正直サビ対策のためとはいえ、コントレックスを使い続けるのは面倒だなと思っていたのですが、美味しかったので良し。

4.2週間毎日使ってみてわかった、鉄瓶のメリットとデメリット

メリット
  • デザインが良い
  • 少量の湯沸かしに適している
  • お湯が美味しい(塩素臭さが抜けている)
  • お湯を注ぐ時に、お湯がはねたり、液だれしたりしない
  • 丈夫で長く使える
デメリット
  • 重い(大量の湯沸かしには適さない)

鉄瓶のデメリットは本体重量が重いこと。わたしが使っている小型のもの(満水容量900ml)でも本体だけで1kgあります。そこに沸かす水の重さが加わるので、重いものが持てない方には使いにくいと思います。裏を返せば、少量の湯沸かしには適しているということなので、我が家のように毎日の湯沸かしが少量(800ml程度)で良いお宅にはおすすめです。最初の何回かは水道水を沸かしてみましたが、ステンレスのやかんに比べて水道水の塩素臭さが明らかに抜けており、お湯が美味しく感じました。そしてさすがの鉄鋳物、作りは堅牢で、ちょっと落としたぐらいでは壊れなさそう。大事に使えば、一生モノとして使える逸品です。

なんといっても長年の職人技によって守られ、時を超えて生き残ってきた伝統工芸品のデザインと機能は絶対です。重さが苦にならない方には全力でお勧めします。

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