針に糸を通すイライラがなくなった!金沢で出会った伝統工芸の縫い針に感動した話。

(本記事は広告リンクを含みます)
年のせいでしょうか。最近、裁縫をするとき、針に糸が通らないことに悩んでいました。
私はそれほど縫い物はせず、簡単な洋服の直しくらいしかしません。ボタンつけ、裾のほつれ直し、ゴム替え程度です。針仕事自体は嫌いではありませんが、最もストレスなのは針に糸を通す作業。何度も試して針に糸が通らないと、糸の先端がほつれてきて余計に通りにくくなり負のスパイラルにはまり、ただでさえ時間がないのでさっさと終わらせたいのに…とイライラが募ります。特に季節の変わり目には衣替えのついでに洋服の直しをすることが多く、糸通しを使うのも面倒だし、どうにかならないものか…と思っていました。
私はもともと簡単な裁縫しかしないこともあって、裁縫道具にまったくお金をかけていませんでした。使用している縫い針は、小学校の家庭科で購入した裁縫セットのものを30年使い続けていました。そうこうしているうちに、ついに小学校時代の針が折れたり曲がったりと、耐用年数を超えました。そこで、裁縫道具の購入を考えていましたが、なかなかコレ!というものに出会うことができずにいました。
しかし先日、石川県金沢市を旅した際、伝統工芸品の縫い針を購入したところ、細い縫い針であるにもかかわらず百発百中で糸が通るのでびっくりし、もっと早く購入すればよかったと思ったのでした。

目細八郎兵衛商店の「めぼそ針」がスゴい!

金沢は伝統工芸の街。この地を治めた加賀前田家が、積極的に産業振興を奨励したため、金沢には多くの伝統工芸が息づいています。金沢旅行の際、金沢駅近くにある目細八郎兵衛商店で見つけたのは、ハリネズミの裁縫セットです。

目細八郎兵衛商店の裁縫セット。 手のひらサイズ(7cm四方)の桐箱に入っています。

目細八郎兵衛商店の裁縫セット。
手のひらサイズ(7cm四方)の桐箱に入っています。

目細八郎兵衛商店のハリネズミ裁縫セット。 桐箱の蓋を開けるとこんな感じ。

目細八郎兵衛商店のハリネズミ裁縫セット。
桐箱の蓋を開けるとこんな感じ。

ハリネズミのキュートなデザインが目を引きますよね。でも、ただかわいいだけではありません。確かな伝統工芸の技術に裏打ちされた製品なんです。
こちらの目細八郎兵衛商店は、安土時代の創業で、創業430年になるとのこと。江戸時代には加賀前田家がお墨付きを与え、こちらで製造される「めぼそ針」は金沢を代表する工芸品として広まったそうです。
ハリネズミの裁縫セットには、針を刺すとハリネズミになる針山、縫い針数種類、待ち針、糸切りバサミがセットになっていますが、秀逸なのはガラスの瓶に入っている縫い針。

目細八郎兵衛商店 ハリネズミ裁縫セット セット内容。

目細八郎兵衛商店
ハリネズミ裁縫セット
セット内容。

こちらの縫い針は、用途に応じて様々な種類がありますが、全体的に太さは細め。また、糸を通す針穴の部分も、それほど大きくはないので、一見すると糸が通りにくいのでは?と思われます。が、使ってみると圧倒的に糸が通しやすいんです。おそらく糸の通しやすさを決めているのは、針穴の形状と、針穴の滑らかさだと思います。

針穴の横幅が広く、糸が通りやすい形状

「めぼそ針」は、針穴の形状が違う。

「めぼそ針」は、針穴の形状が違う。

糸の断面は基本的に円形だと思うのですが、これまで使用していた縫い針では、針穴の形が縦に細長く、針穴の横幅が狭いため、その部分に引っかかって糸が通りにくい状態でした。しかし、「めぼそ針」は違います。針穴の形が普通の縫い針に比べて横幅が太く、より円形に近いんです。針穴の形を糸の断面の形に近づけてあるから、糸がするっと通るんですね。縫い針自体は縦に細長いものなので、どうしても針穴の横幅が狭くなりがちだと思うのですが、「めぼそ針」では伝統工芸の高度な技術によって細い針の末端に横幅の広い針穴を開けることができているのです。

針穴の内側が滑らかで、糸が引っかからない

また、針穴に糸を通すときに針穴と糸がこすれて、なかなか糸が通らないことがありますが、「めぼそ針」ではそれがありません。おそらく、針穴の内側が滑らかに仕上げられているので、摩擦が生じずに一発でするっと糸が通るのだと思います。
細い縫い針に、これだけ高度な加工をするのは、並大抵の技術ではありません。伝統工芸の技に脱帽です。

金沢に行ったら、目細八郎兵衛商店の本店へGO!  ネット通販での取り扱いも。

この「めぼそ針」、私は金沢駅近くにある、目細八郎兵衛商店の本店で購入しました。お店の入口はこんな感じ。

石川県金沢市 目細八郎兵衛商店 入口。

石川県金沢市
目細八郎兵衛商店
入口。

「加賀 毛針 目ほそ」の看板から老舗の雰囲気が感じられます。スタッフの方に許可をいただいて、店内を撮影させていただきました。

石川県金沢市 目細八郎兵衛商店 店内の様子。

石川県金沢市
目細八郎兵衛商店
店内の様子。

縫い針だけでなく、高度な金属加工技術を生かして作られた釣り用の毛針や、ピアスも販売されていました。
こちらが私が購入した「ハリネズミ裁縫セット」。大人気で、常に品薄商品だそうです。種類は2種類あり、ハリネズミの色と箱のデザインが違います。

目細八郎兵衛商店 ハリネズミ裁縫セット 種類は2種類。

目細八郎兵衛商店
ハリネズミ裁縫セット
種類は2種類。

縫い針は、薄い生地〜普通の厚さの生地に適した4種類が入っており、まち針2本もセットになっているので普段使いには困りません。

そして、縫い針の使いやすさと伝統工芸の技術もさることながら、使うときに針山に針を刺すと、キュートなハリネズミが出現。裁縫しながら癒されて最高。機能性だけでなく、デザインも素晴らしいです。

目細八郎兵衛商店 ハリネズミ裁縫セット

目細八郎兵衛商店
ハリネズミ裁縫セット

糸を通しやすい針をお探しの方、買って損はありません。ぜひ金沢へ行く機会があれば、チェックしてみてください。

加賀毛針 目細八郎兵衛商店めぼそはちろうべえしょうてん

〒920-0854 石川県金沢市安江町11番35号
TEL 076-231-6371
営業時間 9:30AM〜17:30PM
定休日 毎週火曜日*

http://www.meboso.co.jp/index.shtml