やかんの断捨離はNG。ステンレスやかんから南部鉄器の鉄瓶へ買い替えるまでに考えた6つのポイント

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今年も師走を迎え、大掃除もしなければならないし、不用品も断捨離しなければ…と思い、ふとターゲットになったのがこのやかん。


連日のガス直火加熱でステンレスの表面は茶色く変色し、油はねの汚れが目立ち、内部も錆びが出始めたのです。数年前からそろそろ買い替え時かな~、と思いつつ放置していたので、今年こそはとやかんの買い替えを考えることにしました。

このやかんを買ったのは15年ほど前。実家を出て会社の寮で暮らすことになり、いざ入居してみると台所の熱源はガスではなくIH。慌てて近所のダイエーへ行き、そこで唯一IH対応だったやかんを購入しました。当時はオンライン通販もあまり普及しておらず、ほとんど比較検討ができないまま購入し使い続けてしまったので、今回は自分の暮らしに合ったものを買おうと思ったのです。結局は岩手県の伝統工芸品・南部鉄器の鉄瓶を買うことになったのですが、それまでに徹底的に考えました。そもそもやかんは必要なのかというところから、電気ケトル、ステンレス、ホーローやかんなどあらゆる選択肢を検討したので、記録として残しておきたいと思います。
主に検討した項目は6つあります。①やかんの必要性、②サイズ、③耐久性、④素材、⑤日本製、⑥デザイン。これらのポイントを念頭に置きつつ、ネット通販で取り扱いのある製品を比較検討しながら絞り込んでいきました。

1.買い物の失敗から学ぶ、やかんは本当に必要なのか?

我が家のやかんは常にガス台に据え置き状態。だから料理中に油がはね、表面に付着して汚れていくのです。そして、このやかんは満水容量1.6Lありますが、実際に沸かす湯量は毎朝のコーヒーに500ml、週末のティータイムに500ml程度。大量の熱湯を使う煮出し麦茶は作らないし、インスタント味噌汁やカップラーメンを食べるのは月1回程度なので、今持っているやかんは我が家には大きすぎたのです。

毎朝500mlの熱湯しか使わないのなら、そもそもやかんは不要なのでは?鍋で湯を沸かす方法もあるなと思ったので実験してみました。小鍋で湯を沸かし、いつもコーヒーを飲んでいるマグカップに注いでみると…熱せられた鍋肌で熱湯がはねて飛び散り、手に軽い火傷をしました…。

結論:安全性の面からやかんは必要。

2.電気ケトル VS 直火:メリットとデメリット

やかんが必需品と分かったところで、次は熱源の検討です。少量の湯を早く沸かすという点では、電気ケトルは非常に優れています。また、ガス台に置いておく必要がないので、油がはねて汚れる心配もなくベストな選択肢と思われました。例えばティファールの電気ケトル 「アプレシア プラス」 コンパクトモデル カフェオレ 0.8L。4000円台で購入できてお得感があります。

しかし、調べてみると問題がありました。素材(お湯の味に影響する)と製造国の問題です。

食器や調理用品は、口に入る食べ物が触れるので日本製を使うと決めています。また、プラスチック製の電気ケトルは、本体からどうしても樹脂っぽい臭いがするためお湯の美味しさが損なわれます。そこで、国産かつガラス製またはステンレス製の、1Lサイズの電気ケトルを探しましたが、ネットでいくら調べても見つかりませんでした。したがって電気ケトルは却下。

3.直火やかんの素材、サイズ、耐久性

引き続き直火やかんを使用することに決めたら、次は素材とデザイン選びです。素材はステンレス、ホーロー、アルミ、セラミック(陶器)、ガラスのものまであるようですが、ここでの決め手はサイズ、耐久性でした。
そもそも直火やかんで1L未満のサイズは、極端に選択肢が少ないのです。わたしは柳宗理製品が好きなので、柳宗理のステンレスケトルを購入しようと思いましたが、容量が2.4Lもあるんです。

泣く泣く諦め、日本のホーロー製品のトップメーカーである野田琺瑯のホーローケトル、陶器製やステンレス製のものを検討しましたが、ちょうどよいサイズ(900mlくらい)でデザインの良いものが見当たらなかったのです。

野田琺瑯のいちばん小さいケトルでも、容量が1.5Lと大きすぎる。さらに、ホーローは表面がガラス質で、使用時の割れが心配で気楽に使えないので、耐久性の面で却下しました。

4. ファイナルアンサーは、南部鉄器の鉄瓶

ここで最後に浮上したのが、岩手県の伝統工芸品である南部鉄器の鉄瓶です。これなら日本製、耐久性、デザインの良さを満たします。鉄瓶は重いので大容量のものは売っておらず、900ml程度のサイズの選択肢が多かったのです。南部鉄器の鉄瓶って5万円以上するのでは…と懸念していましたが、調べてみると1万円を切る製品もあり、一生モノであることを考えればこれなら手が届くかな、と思ったのです。ここで最後に注意が必要だったのが、自宅のガスコンロの五徳に載せられるかということでした。自宅コンロの五徳を測ってみると、少なくとも8cm以上の調理器具でないと危険なことがわかりました。(下図の赤矢印の距離より、鉄瓶底部の直径が大きくないと、グラグラして危険)

鉄瓶は底面の直径が小さいものが多く、ガスコンロの形状によっては落下する可能性があるので危険です。そこで、南部鉄器の老舗メーカー岩鋳が製造しているIH対応鉄瓶に白羽の矢が立ちました。IH熱源で加熱を行うにはそれなりの底面積が必要なので、IH対応鉄瓶は底面の直径が大きいのです。

値段は張りましたが、自分が重要だと思う条件をみたす納得のいく買い物ができて満足しています。

でも、やかん買い替えプロジェクトはここからが本番です。ネットで調べると、南部鉄器の鉄瓶について以下のような口コミが出てきます。

  • 鉄瓶で沸かしたお湯は美味しい
  • 鉄瓶は錆びる、メンテナンスが大変
  • 鉄瓶は重く、普段使いには厳しい
  • 鉄分補給になって良い

「買い物は一生勉強」という言葉を聞いたことがあります。自分の買い物の判断が本当に正しかったのかは、実際に使ってみないとわからないもの。また使用感を確認して後日記事にしたいと思います。

5. IH対応の南部鉄器鉄瓶を2週間使ってみた!

購入後、使い始めて2週間後の使用感レポートを書きました。鉄瓶の赤錆対策を実際にやってみたら、早速効果がありました。詳しくはこちら↓

鉄瓶のデメリットは湯垢を育てて解決!赤錆対策は先手必勝。(南部鉄器の鉄瓶使用2週間後レビュー)