「かかりつけ小児科」を選ぶ5つのポイント

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子供の急病!絶対に覚えておくべき相談先:救急、救急相談、夜間休日診療所

前回記事↑では、明らかに子どもの病状が緊急を要する場合にどう対応するかについて書きましたが、今回は緊急性はないが病院へ連れていかなければ行けない場合に、最初にかかる医療機関=「かかりつけ小児科」を選ぶためのポイントについてまとめたいと思います。
一般的にトラブルの対応がうまくいくかどうかは、初動対応にかかっています。トラブルが起こってすぐ適切な対応ができるかどうかで、早期解決できるか、炎上するか、トラブルの波及効果で二次被害が起きてしまうか…などの結果が大きく変わってきます。子供の病気について言えば、初期に適切な診断・治療が行われないまま時間が経過してしまうと、症状の原因が取り除かれないため症状が悪化する可能性が高いのです。そうなると結局完治するまでに時間がかかり、本人が辛いだけでなく、家族全体への影響も長期化し生活が回らなくなります。世話をしている親が倒れてしまう場合もあるでしょう。従って、子供が体調不良を起こした場合に最初に相談する「かかりつけ小児科」は初動対応において非常に重要な役割を果たしており、この選び方を間違うと非常に影響が大きいため慎重に選ぶ必要があります。かかりつけ小児科を選ぶポイントは、優先度の高いものから順に下記5点です。

1.立地は自宅から徒歩10分以内

高熱を出して動けない子供を担いで小児科へ行かなければならない場合が多くあります。ベビーカーに乗せられる年齢ならまだラクでしょうが、ベビーカーに乗らない年齢(4歳以上)になっても動けない子供を医療機関に連れて行かなければならない事態は発生します。そういう時、大人1人で体重20kgのぐったりした子供を病院へ連れて行くことを考えると、移動時間があまりにも長いと親子とも疲れてしまいますし、通院に取られる時間は最小限にして、自宅でできるだけ体を休める方が得策です。従って、かかりつけ小児科の場所は自宅から近ければ近いほどいいのです。自宅から徒歩10分以内、理想的には5分以内です。とにかく通院にかかる時間的負担を最小限にすること、これが鉄則です。

2.軽微な病気と重篤な病気を見分けて、大病院への紹介をスムーズにしてくれる

かかりつけ小児科の先生に最も期待する役割は、子供の病状を診察して診断をつけてもらい、今後の対応について医学的な見解を出してもらうことです。つまり、病名は何か、薬を飲む必要はあるのか、日常生活で気をつけることはあるのか、登園/登校はいつから可能なのか、など。子供の体調不良は、大体は風邪や胃腸炎など、特に日常生活の制限も必要なく1~2週間で治るものがほとんどです。しかし、稀に初期症状が風邪と似ているが、風邪とは異なる経過を辿り、徐々に重篤な症状が出て入院が必要になる病気もあります。つまり、経過をみているうちに病名が最初の診断から変わるということが起こりうるのです。こういうとき、長期間経過観察しても症状が改善しないにも関わらず、先生によっては当初自分が下した診断にこだわり、他の病気の可能性を考えないためいつまでも症状が改善せず、対応が遅れる…ということがしばしば起こります。
しかし、本当にデキる先生は違うのです。「これは普通の風邪ではない、当院で対応できる病気ではなさそうだ」と判断したら直ちに、「◯◯病院に紹介状を書くから、すぐにそこで見てもらってね」と大病院に連携してくれます。その先生が強いネットワークを持っている大病院を紹介して貰える場合もあれば、患者サイドが希望する病院に対して紹介状を書いていただける場合もあります。大病院にかかる際、紹介状の有り無しで待ち時間や、先生の対応が全く異なるため、もしもの時のために紹介状をスムーズに書いて貰えることは非常に重要です。
では、病気の重症度の見極めがスムーズか、紹介状を書いてもらえる先生かどうかという情報は、どのように集めれば良いのでしょうか。まず病院のホームページで収集可能な情報は、先生の経歴です。先生の出身大学の病院や勤務歴のある病院には、病院間ネットワークがある可能性が高いため、紹介状を書いてもらえることが多いです。たとえホームページがない病院でも、先生のお名前をGoogle検索すれば経歴はすぐに見つかります。先生のネットワーク内にある病院がどのくらいの数ありそうか、ネットワーク内の病院の規模やクオリティがどの程度か調べておくと、もしもの時に備えることができます。それ以外の方法は、近隣の口コミと、自分で実際に行ってみることです。インターネット上で地元の小児科のレビューが十分集まる可能性は低いため、ママ友など近所のネットワークでまずは情報を集める必要があります。地元の口コミ情報をあらかじめ集めておき、子供が体調不良を起こした時に病院へ実際に行ってみて、先生の対応を観察し判断します。私の場合、初診で診ていただいて投薬などを始めてから1〜2週間症状が改善しないにも関わらず、大病院への紹介や他の病気の可能性を疑うなど次のアクションを起こさない場合は、次からその病院へは行かないことにしています。

3.保育園の園医を狙え:両親・子供と性格的に相性の良い先生を選ぶ

ひとくちに小児科の先生といっても、いろいろな方がいらっしゃいます。小児科の対象年齢は0歳〜15歳までなので、かかりつけ小児科は子供が大きくなるまで長いお付き合いになります。そのため、子供も両親も性格的に相性の良い先生の方が、通院のストレスが少なく、お互いにとって良いのです。例えば、以前通院していた小児科の先生は、我が家には全く合わない先生でした。

父親が子供を予防接種に連れていっただけで「父親が子供を病院に連れてくるなんておかしい。母親が子供の世話をしないとは何事だ!」と言い放ち、
子供が体調を崩したので診ていただく際、0歳6ヶ月から保育園に通っていることを伝えると「0歳から集団保育に入れるようなことをするから病気になるんだ。母親の怠慢だ!母親が仕事なんてするもんじゃない!」

母親を育児ノイローゼにするタイプの先生だったんですね。こんな時代に逆行することを言っていて、小児科経営が成り立つのか疑問ですが、こういうはっきりものを言うタイプの先生が合う人はそれで良いのです。我が家の場合は夫も私もNGでしたし、子供も怒鳴り声で怯えていたので、それ以降二度と行きませんでした。一方的に自分のポリシーを主張して怒鳴り、こちらが子供の症状を伝えようとしても聞き入れる様子がない=診断に重要な親からの症状聴取をないがしろにしていたので、的確な診断ができるとは到底思えませんでしたし。子供が体調不良の時は、本人だけでなく家族も大変なので、少しでもストレスは少なく。相性が悪い小児科医は、こちらからサヨナラしましょう。
ちなみに、共働き家庭と相性の良い先生は、病院のホームページをみれば見当をつけることができます。チェックすべきは、「保育園の園医をしているか」ということ。保育園は必ず近隣の小児科医と契約していて、毎月の定期健診などで小児科医と連携し、園児の健康管理を行っています。保育園の園医をしている小児科医は、保育園から報酬を受け取っていますから、保育園の主要顧客である共働き家庭に対してアンチな発言はしません。このような先生は、保育園の内情をよく分かっていますので、登園させてよいかどうかの判断も現場に即して合理的に判断してくれます。また、近隣の保育園で流行している感染症の情報も持っているので、的確な診断をしてもらえる可能性が高いです。自分の子供が通っている保育園の園医である必要はないですが、とにかく園医をやっている先生がオススメです。

4.予約なしで予防接種してもらえる

かかりつけ医の重要な役割のひとつに、予防接種をしてもらうことがあります。最近は予約制のところが多いのですが、予約した日に子供が体調を崩すと予防接種が受けられず、次の予約が後ろ倒しになりスケジュール通り予防接種が受けられないという事態が起こります。子供がいつ体調不良を起こすかはコントロールできないため、予防接種は体調の良い時を見計らって、予約なしで打ちに行きたいところです。
ちなみに、予防接種のスケジューリングは、http://www.know-vpd.jpが便利です。

5.早朝、土曜午後など、通常の医療機関がクローズしている時間帯でも診察してもらえる

子供の病気はある日突然にやってきます。例えば、昨日までは元気で走り回っていたのに、翌朝体調不良を訴えている。よくみると皮膚に発疹もあり、感染症か何かかもしれない…これって保育園や学校に行かせても良いレベルなの?と迷うような場合。そんな時、早朝(例えば8時台)に空いている小児科なら、学校や保育園に行く前に診ていただき、登園・登校の可否を判断してもらえます。働く両親の強い味方になってくれます。

まとめ

子供が15歳になるまでお付き合いする「かかりつけ小児科」。自分に合う、優秀な小児科を見つけると、子供の病気に対応するストレスがぐっと減り、問題解決スピードも早くなり、家族皆がハッピーになります。一緒に子供の成長を見守っていける戦友のような小児科を、自分の手で試行錯誤して見つけましょう。上記ポイントが何かの参考になれば幸いです。

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