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2020年に入り、来年の東京オリンピックに向けて様々な活動が盛り上がりを見せていますね。
ところで、2020年2月4日申請分から日本国パスポートのデザインが変更になり、あの有名な浮世絵画家、葛飾北斎のデザインになることはご存知ですか?2020年2月3日に最新の外務省公式報道発表があり、全貌が明らかになってきていますのでまとめたいと思います。特に私が素晴らしいと思ったのは、お堅いイメージの外務省が、粋な取り組みでパスポート偽造問題の解決方法を見出したことなんです。
東京オリンピックのセキュリティ上最重要な入国管理対策
日本国パスポートの偽造対策は重要
なぜパスポートのデザインを変えるのか。ズバリ偽造対策です。あまり知られていないかもしれませんが、日本のパスポートは世界最強です。それは日本のパスポートを持っていれば、ビザの取得なしで、世界のほとんどの国を旅することができるから。2020年に入って、ビザなしで渡航できる国や地域の数を比較した世界のパスポートランキングが更新されましたが(CNNニュース)、日本はパスポートランキング世界1位をキープしています。日本国パスポートを所持していれば、なんと世界190か国にビザなしで渡航できるんです。
これは日本国パスポートの世界的信用の高さを示していますが、その便利さゆえに偽造しようとする輩が出てきてしまうのも事実。東京オリンピック前後は多くの外国人が訪れることが予想され、偽造パスポートでテロリストが入国するようなことは絶対に阻止しなければなりません。そこで、偽造対策が重要になってくるわけです。
偽造対策の新たなブレイクスルー
これまでの偽造対策は、例えば以下のような感じ。
- ICチップを導入する
- ブラックライトに反応する特殊インクを使用する
- 隠しロゴをページ内に散りばめる
要するに簡単にマネできないテクノロジーで偽造を防止するということです。それに対して今回は、偽造問題をデザインで解決するという点が素晴らしいのです。具体的には、出入国の際にスタンプを押してもらう「査証欄」のデザインを見開き1ページ毎に異なるデザインにするということ。偽造するページ数が多くなるため偽造防止効果が非常に高いですよね。しかもそれを、どうせページ毎に違うデザインにするのなら葛飾北斎の浮世絵のデザインにしよう!という発想が最高です。表紙のデザインに変更はありません。イメージはこんな感じ↓。(出典:外務省ホームページ https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/pss/page23_002803.html)
葛飾北斎はグローバル。クールジャパンをアピールできて一石二鳥
今回採用されたのは、葛飾北斎の「富嶽三十六景」。日本を象徴する富士山が描かれ、赤富士を描いた凱風快晴などが有名ですね。
富嶽三十六景の中から、24作品が選ばれました。選ばれた作品は外務省HPに載っています。(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000432932.pdf)
北斎の浮世絵は日本でも大人気ですが、海外でも高い評価を得ています。北斎作品はヨーロッパへ渡り、世界的に有名な印象派の画家であるモネ、ゴッホなどに強い影響を与えました。先日パリで開かれた北斎展の入場者数は36万人を記録し、現在でも日本を代表する画家として世界中に多くのファンがいます。北斎の浮世絵は日本を象徴するパスポートにふさわしい上に、絵柄や構図が美しく目で楽しめます。また、図柄の細かさ、色の濃淡の緻密さにより偽造が更に難しくなると思われ、まさに一石二鳥です。
北斎デザインのパスポートはいつから作れるの?
北斎デザインのパスポートに関する情報は、外務省HPにまとまっています。
2020年2月3日、外務省の正式発表があり、発給開始時期は2020年2月4日申請分からだそうです。(外務省ホームページ:https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_008292.html)デザインはこんな感じになるそうですよ↓。楽しみですね!
引用:外務省ホームページ(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000432933.pdf)より一部抜粋。
さっそくパスポートの更新に行かなければ…!
まとめ
お堅いイメージの外務省が、偽造対策として北斎デザインを採用するなんて粋な取り組みですよね。世界に誇る日本国パスポートができそうです。北斎人気は高いので、積極的に新しいパスポートに切り替えようと思う人も増えると思われ、日本国パスポート全体のセキュリティレベルが向上するという副次的効果もあるでしょう。北斎人気を使って日本のパスポートの信頼性を高め、クールジャパンも同時にアピール。問題解決の方法として最高です。
葛飾北斎の浮世絵は、実はビジネスパーソンの強い味方。北斎のおかげで、フランス人上司とのミーティングを乗り切った話はこちら↓