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1月下旬から始まったコロナ騒動で消毒・衛生関連用品は品薄が続いています。まず最初にマスクとアルコール消毒製品が消え、続いてうがい薬やハンドソープ類が現在買えなくなっています。手洗い・うがい関連製品が品薄になっているのは医療機関でのニーズの上昇だけでなく、アルコールが手に入らないからせめて手洗いだけは頑張ろうという一般消費者のニーズの高まりもあるでしょうし、これら衛生用品全般に言えることですが転売屋による買い占めもあるでしょう。通販サイトを見ていると法外な値段で売られていてうんざりします。ネット通販の転売屋は現代のヤミ市だな…。
我が家でもついにハンドソープのストックが切れてしまい、あちこちのドラッグストアをまわりましたがどこへ行っても在庫がない…。まぁ、きっと少量ながらもコンスタントに入荷はあるのでしょうが、たまたま入荷したタイミングに出会えていない(要するに運が悪い)だけなのかもしれません。そうは言っても石鹸での手洗いができないのは死活問題なので、ハンドソープがないなら何かで代用しないといけないと思ったわけです。ドラッグストアのハンドソープコーナーに唯一残されていたのは固形石鹸でした。しかも、ミューズなどの抗菌系ハンドソープは売り切れで、昔懐かしの牛乳石鹸しかない…。まぁ石鹸には違いないので、水だけでの手洗いを続けるよりはマシ、と思って購入しました。3個パックで217円。安っ。
固形石鹸を購入したのは20年ぶりくらいなんじゃないかと思います。最近は液体ハンドソープしか買っていなかったので…。なんで固形石鹸を買わなくなったのかといえば、使い勝手が悪かったからだと思うんですよね。
- 泡立てるのに時間がかかるので、ササッと手早く手洗いできない
- 手の上で泡だてているうちに、ツルっとすべって落としてしまいがち
- 同じ石鹸を複数の人が繰り返し触るので、なんとなく不衛生な気がする
- 使ううちにドロドロに溶け、ソープディッシュや洗面台にへばりついて掃除が大変
プッシュ式の液体ハンドソープがここまで普及したのは、こうした固形石鹸のデメリットが克服されているからだと思います。実際、今回久しぶりに固形石鹸を使ってみて上記の点は不便だと思ったので、ちょっと使い方を工夫してみようと思い立ちました。たぶん固形石鹸を1個そのまま使い続けるからこういう問題が生じてくるのだと思うので、固形石鹸を1回分使い切りサイズに削って使えば水に溶けて泡立ちやすくなるだけでなく、繰り返し触る必要もなくなり、溶けて周りにへばりついたりすることもなく掃除がラクになるだろうと思ったのです。
そこで、試しに固形石鹸をピーラーで削って使ってみることにしました。用意するものは下記の通り。
- サランラップ
- ピーラー(100均のキッチン用品コーナーで買ったもの)
- 固形石鹸
- 空き瓶(台所用洗剤できれいに洗ったもの)
- 手袋
一応衛生用品なので、手袋をして作業し、ピーラーや空き瓶などの道具は台所用洗剤できれいに洗って乾燥させておきます。ピーラーは野菜の皮むきに使うものを転用せず、専用のものを100均で買いました。削る方法はカンタン。サランラップを敷いた上で固形石鹸を手に持って、ピーラーで側面を削っていきます。力はほとんどいらないですね。木をカンナで削るような感じで、スルッと削れます。慣れてくると結構楽しい。使うときに溶けやすくなるので、できるだけ薄く削るのがおすすめです。
削った石鹸は清潔な空き瓶に入れて洗面台の近くに置いておきます。ある程度まとめて削っておくと便利ですね。削ったものを小さめサイズ(1.5cm ×1.5cmくらい)に割っておくと、洗う時に溶けやすくて良いです。
使うときは乾いた手で固形石鹸のかけらを手にとり、水と一緒に泡立てて使います。1回使い切りなのでソープディッシュなどは不要。石鹸が洗面台にへばりついたりせず快適に使えます。
ふと思ったのですが、これって実質的には紙石鹸と同じですよね。ちょうど外出時に持ち歩いていた紙石鹸が残り少なくなったのに売り切れ気味で困っていたのですが、なんだこれなら自作できるじゃん、と気づきました。ちょっとした工夫でなんでも解決できるものですね。
最近は衛生用品の品切れも一部解消してきていて、特に使い捨ての不織布マスクはドラッグストアの店頭でもチラホラ見かけるようになってきました。メーカーの生産能力が上がったこともあるでしょうが、他の理由もあると思っています。それは代用品の充実ぶりです。使い捨てマスクの品切れ後、自作マスクや布マスク販売の増加、アベノマスクの配布などで「布マスクでいいじゃん」という雰囲気が醸成されてきました。こうして使い捨てマスクを買うために必死で行列に並んだり高価な転売マスクを買う必要性がなくなった結果、使い捨てマスクの需要が下がり、転売屋がマスクを取り扱わなくなったこともあるだろうと思っています。それはおそらくハンドソープにも言えることで、「ハンドソープはないけど、固形石鹸で代用すれば問題ないよね」という雰囲気が広がればパニックはおさまり、過度な需要が抑えられるので転売屋も高額転売しにくくなる…というふうに使い捨てマスクと同じ道を辿ることでしょう。
コロナ騒動で世界中が戦時中のような状況なので、不安に駆られて買い占めが起こったり、ニーズに目をつけた転売屋が横行したりするのは仕方ないです。公的機関による取り締まりは行われるべきだと思いますが、報道されているようにスーパーやドラッグストアの店員に「なぜ欠品しているのか」と理不尽なプレッシャーをかけるのはおかしいですね。それよりも「ないのなら創意工夫で苦境を乗り切ろう」と考えるほうが圧倒的に健康的です。自分であれこれ工夫して代用品や新たなライフハックを発見する方がはるかに楽しいですし。
新型コロナの新規感染者は減少してきており、緊急事態宣言の出口は見えてきていますが、たぶんまた第二波は来るでしょうし、新たなニュース(フェイクニュースを含む)で特定の日用品が売り切れる事態はこれからも発生するでしょう。それでも状況に応じて、創意工夫で代用品を見つけて乗り切れば良いのです。マスクパニックでさえも3~4ヶ月ほどでおさまったのですから。結局は創意工夫こそがコロナ騒動のサバイバル術だと思っています。