東京緊急事態宣言日記25:展覧会オリジナルグッズのオンライン通販をぜひ「新しい生活様式」に

ここ数日のニュースを見ていると、緊急事態宣言が解除された地域では美術館・博物館の再開が決定されつつあって、嬉しい限りです。その一方で、このコロナ禍を受けて中止、会期短縮、延期に追い込まれた展覧会も多くあります。延期された展覧会についてはまだチャンスが残されていますが、中止や会期短縮となってしまった展覧会は本当に残念です。わたしも行こうと思っていたのに、コロナ騒動で行けないまま会期終了、あるいは開催中止となってしまった展覧会がいくつもあります。たとえば都内で開催予定だった下記の展覧会です。

  • ハマスホイ展(東京都美術館)
  • ロンドン・ナショナル・ギャラリー展(国立西洋美術館)
  • ボストン美術館展 芸術×力(東京都美術館)
  • 特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」(東京国立博物館)
  • 日本の自然、人々の知恵 「特別展 和食」(国立科学博物館)

ミュージアム好きとしては結構楽しみにしていたのにフイになってしまって辛いですし、何年もかけて準備を重ねた関係者の方にとっても本当に苦渋の判断であったのではないかと思います。展覧会の構成を考え、国内外から作品を借りるために奔走された方々の心中お察しします…。また、運営サイドにとっては、入場チケット収入減に加えて図録や展覧会限定グッズの在庫という問題もあり本当に大変なのではないかと…。せめてグッズだけでも買えれば展覧会業界への支援になるかもしれないとは思いつつ、だいたい展覧会限定グッズは会場限定の店頭販売が中心なので無理かな…と思っていたら、図録や一部のグッズがオンラインで購入できるようになっていました。これは嬉しい。

サイトを見ているだけで欲しくなってしまいますね。展覧会業界の支援のためにも、いくつか購入してみたいと思います。
それにしても、ふだんなら展覧会を見た後ショップの混雑にめげずに頑張って並んで購入するグッズが、オンラインで買えるなんて感激です。展覧会に行けなかったこと自体はとても残念なのですが、行列ギライの怠惰なわたしにとっては、グッズ購入に関してはかなり快適になったな~というのが正直な感想です。

このまま感染者数が少ない状態が続けば、これから予定通り開催される展覧会も出てくることでしょう。そうなった場合には展示室の混雑だけでなく、ミュージアムショップ(特に展覧会出口にある特設ショップ)の混雑対策も重要になってきます。展覧会や日時によっては、ミュージアムショップはとても密な状態になります。わたしはグッズの購入に2時間並んだこともあります…。たぶんコロナが完全に終息するまでは、これまでのように多くの来館者が行列に並ぶのは問題になると思うので、特設ミュージアムショップのあり方も再考されるのだと思います。平時はミュージアムショップの行列を当然のこととして受け入れていましたが、コロナ騒動でふと気づかされますね。そもそもあれだけの行列に並んでグッズを購入する状況は、本当にあるべき姿だったのかな?ということに…。

ふだんから展覧会に通っていて観察している限り、ミュージアムショップの行列は何が原因なのかというと、①展覧会自体の希少性や人気が高く来館者数が極端に多いこと、②限定グッズ(キャラクターコラボなど)の入手にコレクターや転売屋が殺到することの2点があると思います。来館者が多いだけなのであれば入場制限や日時指定予約などで解決可能ですが、転売屋の場合は対策が難しいですね。以前、とある展覧会で人気キャラクターのコラボ商品が販売された際、展示室に入るや否やまったく展示を見ずに出口のショップへ直行、キャラクターグッズを大量購入している人を見かけました。その人が熱心なコレクターなのか、転売屋なのかは定かではありませんが、ある日ネットを見ていたらそのキャラクターグッズがネットで高額転売されていました。こうした状況があるので、転売屋から高値で買いたくない人がさらにミュージアムショップに列を作って長時間待つ…という悪循環です。おそらくキャラクターグッズを会場限定販売とすることで来場者数を増やすことには成功していますが、来館者の満足度としてはどうなのでしょう…?わたしはかつて、ある展覧会で欲しいものがあったにもかかわらず、あまりにもショップの会計待ち時間が長すぎて購入を諦めたことがあります。これは運営者側にとっても機会損失になるので、好ましい状況ではないはずです。

かといってミュージアムショップを完全に通販オンリーにしてしまうと、きっと来場者数が稼げないということになるんですよね。であれば、来館者限定で通販購入を可能にするなどの施策はとれないでしょうか?実は、この点に関して先んじた取り組みをしているのが東京ディズニーリゾートです。ここでは様々なキャラクターグッズが販売されていますが、テーマパークに入園しないと購入できない限定グッズがあり、以前から熾烈な購入争いと転売が問題視されていました。そこで昨年、スマホの公式アプリにチケットを読み込んでテーマパークに入園すると、パークに入園実績のある人だけが公式アプリ経由で限定グッズを購入できるようにしたのです。チケットのQRコードを入園ゲートで読み取った人だけが、入園当日だけオンラインで購入できるという仕組みです。もちろんパーク内店舗での販売も並行して行われていますが、店舗とネット、ふたつの購入チャネルを作ることで顧客を分散させ、結果的に店舗での混雑軽減に成功しています。

数ヶ月間の期間限定で行われる展覧会で年間入場者数3000万人のディズニーとまったく同じ施策をとることは難しいかもしれませんが、何らかの形でオンライン通販を活用することはミュージアムショップの行列解消に役立つのではないかと思います。グッズの一部を通販購入可能にするだけでもかなり分散できるのではないでしょうか。これまでにも図録は通販で買える場合が多かったのですが、グッズは特設ミュージアムショップでしか買えない場合がほとんどだったように思います。新型コロナウイルスが終息するまではショップの営業自体が難しくなる状況も考えられますが、経済への影響を考えればウイルス対策のためになんでも自粛するのは考えものです。何よりミュージアムファンにとっては展示だけでなく、限定グッズも楽しみのひとつなのです。コロナで大変な状況ではありますが、ウイルス対策の一環としてミュージアムショップの行列を見直しつつ、できるだけ経済を回すためにもミュージアムショップのオンライン化が進んでくれるといいのになあと思っています。