太宰府天満宮の飛び梅を眺め、梅ヶ枝餅を食べ、合格祈願を思い出しつつ考えた梅の意味

学問の神様・菅原道真公を祀る天満宮は各地にあるが、その中でも太宰府天満宮は総本山といってもよい社である。それもそのはず、道真公の墓所に建てられた神社なのだ。時は平安時代。道真公は代々学者の家に生まれ、自らも学問で頭角を現すだけでなく、朝廷内で学者としては異例の高い地位へ登りつめる。しかし権力争いに負けて失脚、最終的には左遷先の太宰府で亡くなった。その後、京都で起こった天変地異が道真公の祟りと恐れられ、学問の神様である天神様として祀られるようになった。

現代でも天神様の人気は高い。特に受験前の冬場、重要な試験を控えた人たちが道真公のご利益にあやかるべく押し寄せる。学問に秀でていたことはもちろん、道真公の人生に共感する現代人が多いのも人気の秘密かもしれない。サラリーマンなら誰でも、組織内の権力闘争は目にしているもの。道真公ほど優秀な人でも、組織で生き残るのは難しいのだ…。
かつてわたしも天神様には合格祈願でお世話になったので、ずいぶんと時が経ってしまったが、お礼参りということで太宰府天満宮に参拝してきた。

わたしの天神様へのお願いはゲンキンなものだった。大学受験のころ、大して受験勉強もせず東京の湯島天神へお参りし、「第一志望に合格しますように」と絵馬を書いて神頼みしたのだ。天神様はわたしの努力不足を見抜いておられたようで、1年浪人することにはなったが、翌年には浪人中の懸命な努力を認めてくださった。縁起を担いで合格鉛筆を購入したのだが、そこには梅の紋が入っていたことを覚えている。そして湯島天神の敷地内には梅の木が多く植えられ、ちょうど受験シーズンの2〜3月頃、一斉に開花していた。このときはご利益ゲットしか考えていなかったので気づかなかったが、なぜこんなにも梅にちなんだものが多いのだろう?

天神様といえば梅である。太宰府天満宮でも至るところに梅が見られる。神社の神紋が梅の紋だし、敷地内の至るところに梅の木が植えられているし、道真公も愛したと言われる太宰府の名物は「梅ヶ枝餅」。参道の出店で買える、焼き立てのホカホカのものが美味しい。
それに、道真公と梅にまつわる伝説まで残っている。本殿の横で枝葉を伸ばしている飛び梅だ。

菅原道真公が京都から太宰府へ流される際、自邸の庭にある梅の木との別れを惜しんで歌を詠み、太宰府へ旅立ったところ、一夜にしてこの梅が道真公を追い、京都から太宰府まで飛んできた、という飛び梅伝説の梅である。伝説の真偽はさておき、道真公が残した歌「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」(梅の花よ、主人のわたしがいなくても、春を忘れてくれるな)からは梅をこよなく愛したことが伝わってくる。また、道真公が学問に秀でた神童であったことを示すエピソードとして「12歳の若さで漢詩を詠んだ」逸話があるが、この漢詩にも梅が出てくるのだ。だからこそ、各地の天満宮には梅にちなんだものが多いのだろう。

現代の受験シーズンは、ちょうど梅の花が開花する2月〜3月頃。学問の神様である菅原道真公が、辛い受験シーズンに花を咲かせて春の到来を告げる梅を好んだのは、単なる偶然だろうか?なんだか不思議な因果を感じる。

辛い冬を乗り越え、太宰府天満宮の梅は、受験シーズンに見事な花を咲かせる。これは、学問に励む参拝者に「春は必ず来るから頑張れ」と道真公の代わりに伝えているのかもしれない。

太宰府天満宮

公式サイト:https://www.dazaifutenmangu.or.jp

所在地:〒818-0117 福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号

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