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産休・育休から復帰した直後、多くの共働き夫婦が直面するのは突発事態として生じる子供の病気です。特に、保育園からの突然の呼び出しコールに怯えながら仕事をすることになります。
「◯◯ちゃんがお熱です。すぐにお迎えに来てください。」と。
多くの場合、まずは両親が仕事を休んで子どものケアをしますが、あまりにも呼び出しが頻発すると両親だけでは手が回らず、祖父母にお願いしたり、ベビーシッター、病児保育などを手配して対応することになります。そこで産休・育休中にこれらサポート体制を整備して職場復帰に臨もう、と言われています。確かにサポート体制の整備も重要なポイントです。しかし、私がこれまで子育てをやってきたなかで、子どもの病気に対応する上で最も重要なものは小児科選びだと感じているので、ここから数回に分けて、子供の万が一の病気に備えるための病院リスト整備について書いていきたいと思います。
なぜ病院選びが重要か:7つ前は神のうち
「7つ前は神のうち」という言葉があります。これは、昔は乳幼児死亡率が高く、幼い子供の命が危ういものだったということを表しています。七五三のお祝いをするのも、よくぞここまで生きられた、大変ありがたいことだという意味が込められています。2016年のデータでは日本の乳児死亡率は0.2%と非常に低く、1950年の6%と比較して激減しています。これは諸外国と比較しても低い値で、日本では幼い子供の命が最大限守られていることを示しています。(厚生労働省 平成30年 我が国の人口動態)これは最近の子供が強くなったのではなく、医療の発達と社会の豊かさが向上したことにより、適切な医療介入(栄養状態の管理も含む)が行われるようになったためです。
裏を返せば、適切な医療介入がなければ、現在でも子供の命は危ういものだということがいえます。従って、医療が発達した現在においても「7つ前は神のうち」という本質は変わらず、特に低年齢のうちは適切な診断と治療を行わなければ、最悪の場合命の危険が生じやすいということを理解しておくことが重要です。子供の病気に対する対応は、「病気になった子どもの面倒を誰がみるのか、どう外注するのか」というレベルの問題ではないのです。判断を間違うと命に関わる、リスクの高い医療問題として捉える必要があります。
質の高い小児科の必要性:子どもの病気は診断が難しい
私たちは体調を崩すと、自力で治るレベルでなければ、専門医の診断と治療を受けるために医療機関にかかります。通常、病気の診断は問診(多くの場合患者の自己申告)、視診や触診(目視・触覚で確認できる症状)と各種検査結果(血液検査、レントゲンなどの画像診断等)などを総合的に考慮して行われます。成人と異なり、子供は自分の症状を相手にうまく伝えられないので、それが診断を難しくしています。言葉が話せない乳児では、発熱など計測可能な症状や、鼻水・皮膚症状など客観的に目で見てわかる症状のほか、「機嫌が悪い」「泣き方がおかしい」「歩き方が変」「とにかく、いつもと違う」などの親が観察した情報を手掛かりに何の病気か診断していくことになります。たとえ言葉が話せる年齢の子供であっても、症状をうまく表現するだけの語彙を持っていないことも多く、やはり親が症状の情報を補ってあげることが必要になります。このような根本的な診断の難しさから、典型的な症状でない場合や、珍しい病気の場合は特に診断が困難をきわめるため、手遅れにならないよう注意する必要があります。そういう意味で、質の高い小児科を探しておくことはとても重要です。
また、早い段階で適切な診断と治療を受けることは、治療期間の短縮に繋がり、周囲の介護負担を削減することになります。適切な診断や治療が受けられないまま、体調不良の子供をケアしながら長期間共働きを続けることは非常に難しく、最悪の場合は家族が介護で倒れたり、介護離職に繋がってしまうこともあります。そういう事態を防ぐためにも、医療機関の選定は重要なのです。
では、いつ医療機関を調べておくのがいいのか。いざ子供が病気になって、治療が必要な状態になった時、冷静に適切な医療機関を探すことはなかなか難しいです。出産前や育休から復帰する前など、余裕のある時にあらかじめ調べておくことが、もしもの時の速やかな対応に繋がります。
病状の緊急度、重症度に応じて医療機関を選定できる体制を整備する
おおむね、私は下記の考え方で医療機関リストを組んでいます。
1.緊急時、病状が重症の時
- 救急車
- 救急相談
- 休日・夜間診療所
2. 緊急性がないと思われる時は、病状に応じて下記の医療機関から選択
2-1. 近所のかかりつけ医
2-2. 総合病院の小児科
2-3. 小児に特化した高度専門医療センター
2-4. 特定の疾患領域における専門医
3.(番外編) 予防接種を受ける医療機関
続きはこちら↓。「やばい!これは明らかに緊急だ!」という時、どこに連絡すればいいのか。
いざという時の対応をまとめました。