東京緊急事態宣言日記8:対人接触を8割減らす、早朝散歩

最初に緊急事態宣言が発令された7都府県だけでなく、すべての都道府県に緊急事態宣言が出されることとなった。わたしの住む東京都では日に日に外出自粛要請のプレッシャーが強くなっているように感じる。最初は「防災無線で1日1回、外出自粛を呼びかけます」と役所からの通達があり、毎朝決まった時間に「外出を自粛しましょう」というアナウンスが流れていた。しかし、今や1日3回くらいは放送が聞こえてくるし、「外出を控えてください」と呼びかける巡回車まで見かけるようになった。

我が家では4月の初めからまったく外出しておらず、外に出たのは生活必需品の買い出し1回のみ。わたしも含めて大人たちはもともと引きこもり体質なので特に不便は感じていないけれど、子供は日に日にストレスがたまってきているようだ。あるときふと、ボソっと子供が言った。

「外へ行きたいなぁ…」

ん、これはちょっとやばいな、と思った。新型コロナウイルス騒動になってからというもの、子供なりに状況を理解しつつあるようで、あまりわがままは言わなかった。ここに来て我慢が限界に達して、本音が出たかなと思った。そりゃそうだ。いつもは友達と何時間でも外を駆けずり回って鬼ごっこをしていたのに、急に家にいなければいけなくなったのだから…。運動量が減ったので最近食事量が少なくなったし、夜はいつもと同じ時間に寝つけなくなった。外に出ることは感染リスクにはなるけれど、引きこもり生活による運動不足で生活リズムが崩れたり、メンタルを病んだりするようなことがあってはいけない。このウイルスとの戦いは間違いなく長期戦になるので、長い目でみて体の健康だけでなく、心も健康に過ごしていくことが大事。そろそろ子供を散歩に連れ出したり、家で体を動かしたりする方法を考えなければいけないと思った。

まずは散歩に出てみることを考えた。感染拡大予防のために、「接触者を8割減らすように」との専門家委員会の見解が出ている。この条件を守ったうえで散歩をするとなると、人口密度の高い地域に住んでいる我が家にはちょっと難しい。noteに「コロナ専門家有志の会」に所属する専門家の先生方が一般向けに書かれた文章があり、とても有用なので更新のたびにチェックしている。今日の更新は北海道大学の西浦先生で、「接触者を8割減らす」の「接触者」の定義をどう考えたらいいか、という目安が示されていてありがたい。メディアを通さずに、専門家のナマの意見を知ることができるのはインターネットの恩恵だと思う。

西浦先生によれば、1回の「接触」をカウントする目安として

「一人の人が相手と1m以内の距離で2~3往復の会話をしたら、1接触と数える」
「一人の人が相手と握手をしたら、1接触と数える」

という考え方が示されている。これをもとに考えると、たとえソーシャル・ディスタンスが保てなかったとしても、無言で人とすれ違うくらいなら接触とカウントしなくて良いということになる。しかし、近所を散歩するにあたって難しいのが「どうしても知り合いに会ってしまう」ということである。近所の顔見知りの人に会ってしまったら、どうしても会話を交わさざるを得ないし、2メートル離れて会話するとなると声が大きくなってしまって会話の内容が筒抜けになってしまう…。そもそも対人距離をとること自体、相手を嫌な気分にさせる可能性もあるかもしれない…。さらに問題なのが、子供の学校の友達にも会ってしまうことが多いということ。子供どうしではソーシャル・ディスタンスとか、咳エチケットとか、教えてはいても実行させるのは難しいので悩ましい。…と何かと気を遣うので、とにかく人の少ない時間帯に散歩したいなあと思った。

そこで、早朝散歩を試してみることにした。早朝なら人通りも少ないだろうと思ったからだ。ただ散歩するだけではつまらないので、子供と一緒にポケモンGOをすることにした。ふだん子供に持たせているのは防犯用のキッズケータイだが、今だけ特別だよ、ということで散歩するときだけ使い古しのスマホを持たせることにした。子供はちょうどポケモンが大好きで毎週アニメを見ているので、街中にピカチュウが出てくるだけでも散歩が100倍楽しくなる。それに、外にいるときは自分のスマホの操作がメインになるので、外にあるものをあれこれ触ることがなく接触感染予防にもなる。まあ、歩きスマホになったり、車道へ飛び出したりしないように同伴している保護者が注意しなければならないのだけど…。

朝6時台に起きて、ちょっとだけカロリーメイトを食べて腹ごしらえしてから、7時前には家を出て散歩に出かけた。日中は暖かい日が続いているけれど、早朝はまだ空気が冷たく、暖かい格好で出かけないといけない。それでも春の日差しとツンとした冷たい空気が気持ちいい。ポケモンGOをしつつ歩いていると、周りに道を歩く人はほとんどおらず、リラックスした気分で散歩できる。これは実質、人との接触を9割方削減した散歩になっていると思う。近所の公園までの往復だけでも、ポケモンを捕まえ、ジムバトルをし、アイテムを手に入れるなど、ポケモンGOのおかげで普通の散歩とは違った楽しみがある。とにかく子供が楽しそうでよかった。

しばらく外に出ない間に、桜の季節が終わってツツジが咲き誇っていた。帰宅してから作った朝食は、体を動かした後だからか最高に美味しかった。専門家から1日1回の散歩にOKが出ている限りは、この早朝散歩を続けてみようと思う。