東京緊急事態宣言日記24:博物館・美術館の感染予防ガイドラインに協力するために、ユーザーができること

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先週の首相会見と新型コロナウイルス専門家会議会見で、感染状況が落ち着いている一部地域については緊急事態宣言が解除されることが発表されました。解除にあたっては段階的に自粛要請を解除するとしており、第一段階の解除対象施設に美術館や博物館が入っています。この状況を受け、公益財団法人日本博物館協会が「博物館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」(https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/coronaguide0000.pdf)を発表しました。

わたしが住む東京都ではまだ緊急事態宣言は解除されていないので、まだしばらく美術館には行けないのかな~と思っています。ミュージアム好きとしては、今後もし開館されるのならユーザーとしてできるだけの協力はしたいと思っているので、感染拡大予防ガイドラインをユーザー視点で読んでみました。原則としては3密を避けるために混雑を予防すること、館内外でのソーシャルディスタンスを保つこと、接触機会の低減、消毒の徹底、感染者が発生した場合の連絡体制の整備…などが記載されており、これを徹底するのは相当大変なのでは…と思ってしまいました。美術館側・博物館側の負担を減らすためにも、ユーザーとしてできるだけ協力したいと思ったので、このガイドラインからユーザー側として気をつけるべきポイントを書いておきたいと思います。

ユーザーとして美術館・博物館のコロナ対策に協力できること10点

①できるだけオンラインチケットを利用する

現金や紙チケットの授受は接触感染のリスクがあります。また、チケット購入の行列も感染リスクを高めます。オンラインチケットの利用は、行列による飛沫感染リスクと接触感染リスクの両方を下げることにつながるので、できるだけ利用したいところです。

②できるだけ少人数で行く

ガイドラインでは展示室内での会話制限を行うよう求められています。結局大人数で美術館や博物館へ行ってしまうとその場でどうしても会話したくなってしまうもの。できるだけ少ない人数で訪問したほうが良さそうですね。素晴らしいものを見て、その感想を同行者と共有したくなるのは自然なことなのですが、このご時世なので感想を分かち合うのは退館後、周囲に人の少ない屋外で…としたいところですね。わたしはできるだけひとりで行こうかなと思っています。

③症状がある場合、流行地域から帰ってから2週間経過していない場合は美術館・博物館へ行かない

ガイドラインでは新型コロナウイルス様の症状がある人の来館自粛を要請したうえで、入館時に検温を行うことも提案されています。ここはユーザー側が全面協力すべきどころですね。体調不良を感じる場合は家にとどまる、外出前に検温して発熱がないことを確かめることは日々の健康管理としても大事なことです。また、国内外の流行地域にどうしても行かなければならなかった場合は、戻ってから潜伏期間の2週間が過ぎるまではできるだけ自宅に留まる必要があります。(新型コロナウイルスは、無症状でも感染を広める可能性が明らかになっているため。)ここも注意したいところです。

④できるだけ空いている日時を狙って行き、ソーシャル・ディスタンスに気をつける

これは平時からそうしたいところなのですが、とにかく展示室内の混雑により感染リスクが相当上がりそうなので、空いている時に行くのはとても重要です。もしかしたら人気の展覧会は完全日時指定予約制になっていくのかもしれませんが…。展示室内でも周囲の人との距離感には気をつけたいところです。

⑤マスク・手洗い・手指消毒

これは美術館に限らず、最近は外出時の必須事項になっていますね。マスクを付けたうえで、できれば美術館入口でアルコール手指消毒剤で消毒、トイレに行ったときなどにこまめに手洗いをすることは自分を守るだけでなく、他の人にうつすリスクも下げます。美術品や文化財を破損してしまう可能性があるので、展示室内では手持ちの消毒液を使用しない方が賢明だと思います。

⑥コインロッカーは使わない

わたしはいつも美術館でコインロッカーに手荷物を入れて、手ぶらで展示を見てしまうのですが、これからしばらくの間はロッカーの使用をやめようと思いました。コインロッカーでは現金硬貨を使ううえに、扉やロッカー内部、鍵などあちこちを触ってしまうので、接触感染のリスクが高いと思うからです。もしかしたら、ロッカーの利用が禁止になっているかもしれませんね。できるだけ身軽な格好で行って、手荷物を預けなくて済むように協力したいと思います。

⑦館内の設備や備品をできるだけ触らない

壁、手すり、ドアノブ、エレベーターのボタンなどは無意識に触ってしまいがちですが、そこから接触感染の恐れがあります。できるだけ触らないこと、触り方を工夫すること(ドアノブは手指ではなく服の上から肘を使って開けるなど)もリスクを下げる行動に繋がります。

⑧貸し出し物品の利用はできるだけ避ける

美術館や博物館はホスピタリティに溢れていて、展示室でメモを取るための鉛筆やクリップボード、展示室の寒さ対策のためのストールなど、いろいろなものを無料で貸していただけることが多いです。普段はわたしもそれに甘えているのですが、このご時世ではしばらく遠慮して自分で持参しようと思いました。貸し出し物品が増えるほど、施設側の消毒作業の負担が増しますしね…。

悩むのがオーディオガイドです。共有物品ですし、イヤホンは耳につけるためどうしても使うときに顔まわりを触ってしまうので接触感染のリスクが高いです。解説を聞きながら鑑賞したいのはやまやまなのですが、しばらく利用は控えようかと思っています。ちなみにコロナ騒動が本格化する前に書いた記事なのですが、個人のスマホにアプリか何かでオーディオガイドがダウンロードできれば、貸し出しなしで解説が聞けるのではないかと…(イヤホンは各自持参で)↓。

美術館の音声ガイドはこう変わる!スマホが音声ガイドになる未来。

スマホアプリのオーディオガイドは感染対策にもかなり有効だと思います。今後、コロナがオーディオガイド業界も変えるかもしれないなぁと思っています。

⑨訪問記録を控えておく

新型コロナウイルス専門家会議としては、感染爆発が抑えられている間は自粛要請ではなく、クラスター対策を中心として経済をできるだけ止めずに感染状況をコントロールしていく方針です。もし自分が訪問した美術館や博物館で感染者が出た場合、自分が濃厚接触者になるかもしれないので行動履歴を覚えておくことと、その後の体調の変化に気をつける必要があります。でも自分の行動履歴ってどこかに書いておかないと忘れてしまうんですよね。いつどこの施設へ行ったか、日付・時間帯・場所・移動経路などをどこかにメモしておくと、自分の体調管理にも役立ちますし、クラスター対策班に有力な情報を提供することができます。

⑩接触確認アプリをスマホに入れておく

わたしは、厚労省による接触確認アプリ、COCOAをスマホに入れています。2ヶ月ほど使っていますが、今のところは感染者の濃厚接触者に該当していないようです。特にこのアプリによる不利益は感じていないので、引き続き使い続けようと思っています。

こうして考えてみると施設側に負担を強いるだけでなく、ユーザーであるわたしたちが気をつけられることも結構あるものですね。もし再び感染爆発のリスクが上がれば、美術館や博物館は再度休館を余儀なくされてしまうでしょう。そうすると施設側・ユーザー側ともに不利益が出てしまいます。結局はわたしたちも気をつけないと自分の首を絞めてしまうんですよね。ふだんとは違う行動が求められてしまいますが、コロナ禍の中でできる限りミュージアムを楽しむために、わたしは最大限協力したいと思っています。

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