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1. 感染症も災害のひとつ。備えあれば憂いなし。
新型コロナウイルスのパンデミック。終わりの見えない状況が続いていますが、今後も何度か流行を繰り返す可能性が高く、長い目で見た対策が必要になりそうです。そこで第1波の頃のパニック状態を振り返ってみています。第1波からの学びは、再流行への備えとなるからです。そのなかで思うのは、「自分は感染症対策という防災についてまったく無頓着だったんだな」ということでした。ここ最近の災害だと2011年の東日本大震災や昨年の台風被害の記憶が鮮明なので、「防災」というと地震や台風などの自然災害と、それに伴う火災・家屋倒壊・土砂崩れ・ライフラインの停止を考えていました。飲料水や非常食、ラジオ、乾電池などの備蓄はしていましたが、感染症に備えるという想定はまったくしていなかったので、なんの備えもなく、今回の新型コロナ騒動で右往左往してしまったのです。でも見方を変えてみれば、新たな病原体による感染症の蔓延だって自然災害のひとつだったんですよね。人間の免疫や既存の医療でも対応できない新たな病原体が自然発生的に生まれ、それが世界中に伝播して人命や経済に甚大な影響を与える…そうした病原体の発生は人間が100%コントロールできるわけではないですし、病原体の特徴の把握や治療法の確立には時間がかかるので、ひとたび蔓延してしまうと人間側はなすすべがありません。こう考えてみると、発生がコントロールできない点や発生後に一定の被害を覚悟しなければならない点は、地震や台風による被害と似ているところがあるなあと思います。新型コロナウイルスの起源については野生動物に感染していたウイルスが変異によってヒトへ感染する能力を獲得したという自然発生説のほか、人為的に作られたものという説もあり、出所の議論が学術的・政治的に決着するのは数年後まで待たなければなりません。しかし、過去に流行したスペイン風邪、SARS、MERSは野生動物から人間に伝播したものなので、自然発生による新たな感染症です。新型コロナに限らず今後も自然発生的に新たな感染症が流行する可能性はあるので、地震や台風に備えるのと同じ感覚で感染症に対する防災を考えておくことが必要だと学びました。そういう前提で備えをしておけば、アルコールやマスクの品切れに悩まされることもなかっただろうし…。布マスクだって持っていなかったので、慌てて自作するハメになってしまったし…。
実は感染症に対する対策は、地震や台風の防災を考えるうえでも重要です。地震や台風の後、二次災害として感染症が発生しうることは過去の事例から明らかです。先日NHKで放送されていたドキュメンタリー「明日へつなげよう 証言記録 『感染症から巨大避難所を守れ』」を見たのですが、そこで紹介されていたのは東日本大震災で原発被害に遭った方々が大規模避難所で避難生活を送っていた際、避難所で感染症が急増した問題でした。嘔吐や下痢を引き起こし、感染力が高いことで知られるノロウイルス感染症です。三密で換気不十分な避難所の空間、手洗い所や衛生的な水場の不足、支援物資の不足によりひとつの避難所から212人もの患者が発生してしまいました。(国立感染症研究所ウェブサイトに詳細あり)地震による直接の被害ではなく、二次災害的に感染症が広がってしまったのです。ただでさえ不便な避難所生活の中で、たくさんの人が嘔吐や下痢に苦しめられるとは…避難所の方々の過酷な状況を考えると胸が痛みます。そして台風の被害でも同様のことが起こりえます。洪水や内水氾濫により汚水があふれ、浸水した場所では雑菌が繁殖しやすくなります。こうした雑菌を含む飛沫・土埃の吸入や皮膚の傷口などから病原体が体内に侵入し、感染症にかかることがあるのです。地震や台風による二次災害に備えるという意味でも、感染症対策は非常に重要です。
2. 防災備蓄に感染症対策用品をプラス
今回の件で、防災の一環としての感染症対策が重要だと理解したので、我が家の防災備蓄品を見直すことにしました。以下は今後の防災備蓄改善プランの備忘録です。特に衛生用品の備蓄は必須なので、在庫が復活してきたら改めてストックしておこうと思います。
①マスク
ライフラインが停止した場合や地域での流行が著しい場合は不織布製の使い捨てマスクが最強ですが、もしライフラインが無事で近隣の流行が軽微であれば、洗って何度でも使える布マスクも強い味方になります。マスクが欠品になってから在庫が復活するまで3ヶ月程度を要したので、我が家は使い捨てマスク3ヶ月分+布マスク各自3枚分は備蓄しておきたいと思います。
使い捨てマスクはアイリスオーヤマものを愛用しています。変な化学薬品臭がなく、耳ゴムが柔らかいので長時間つけていても耳が痛くなりません。ふつう・小さめ・学童サイズがあるので、自分にあったサイズを見つけられるのも助かります。
②アルコール手指消毒剤
アルコールを含む手指消毒剤も必須アイテムのひとつです。これがあれば、ライフラインが停止して手洗いが難しくても手指の衛生を保つことができます。アルコールを含む手指消毒剤は細菌、真菌、エンベロープウイルス(新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスを含む)などかなり広範囲の病原体に有効です。アルコール(エタノール )濃度が70%程度のものがベスト。家庭用商品だと、サラヤのハンドラボシリーズや健栄製薬の手ピカジェルなどが該当します。1ヶ月分くらいの備蓄は必要だと思っています。
また、携帯用の小分けサイズを非常用持ち出し袋に入れておくと、もしもの時に重宝しそうですね。
③石鹸orハンドソープ
水が使える状況でないとできないことではありますが、感染予防にはとにかく手洗い。これは新型コロナ騒動でかなり周知されたのではないでしょうか。手洗いに使うハンドソープは今でも品薄が続いているので、常に多めにストックを持っておこうと思っています。災害対策として考えるなら、液体ハンドソープ は持ち運びに難があるので、紙石鹸や固形石鹸を非常用持ち出し袋に入れておくといざというときに役立ちそうです。
④ペーパータオル
手洗いの後、アルコール手指消毒剤を使えば手指衛生は完璧…と思いきや、手洗い後に手についた水をしっかり拭かないと手指消毒剤のアルコール濃度が下がってしまい、消毒効果が低下してしまいます。衛生的に手を拭くならペーパータオルがベスト。ライフラインが止まって洗濯が十分にできないなかで布製のタオルを清潔に保つのは難しいですが、ペーパータオルなら問題ありません。また、ペーパータオルは手を拭くだけでなく、消毒作業にも使います。ドアノブ・電気スイッチ・調理台などの物品の拭き取り消毒をするときは、使い捨てのペーパータオルに消毒剤を含ませて拭き取ります。使用頻度が高そうなので1ヶ月分くらいはストックしておこうと思います。
⑤アルコール消毒スプレー
ライフラインが止まったなかでも食卓・調理台・水回りなどを清潔に保ちたいときに便利です。ドアノブや電気スイッチなどの消毒にもいいですね。消毒用エタノール(スプレータイプ)や市販されているキッチン用のアルコールスプレーを備えておくと安心です。常に1本ストックがある状態にしておこうと思います。
⑥ハイター(次亜塩素酸ナトリウムを含むもの)
だいたいの消毒はアルコールで十分なのですが、ノロウイルスはアルコールに対する抵抗性が高いと言われています。ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウムが有効なので、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤があれば安心です。ちなみに安全性の問題から、ハイターは手指をはじめとした人体の消毒には使えないので注意。用途は物品の消毒です。ノロウイルス感染者の吐物や汚染したリネン類の消毒、トイレの消毒などに使います。
⑦使い捨てニトリルゴム手袋
病原体で汚染された可能性のあるものは、できるだけ素手で触らないようにしたいところです。したがって使い捨て手袋の備蓄も重要です。素材はニトリルゴムがおすすめ。アルコールに強いので消毒時に使用可能で、天然ゴム(ラテックス)と違ってアレルギーを起こす可能性が低いと言われているからです。100枚入りのものを1箱常備しておきたいと思います。
⑧非接触型体温計
ふつうの体温計は持っているのですが、今回のコロナ騒動で非接触型体温計を常備すべきだったなと思いました。非接触型なら体に触れずに体温を測れるので、体温計を共用で使っても感染が広がるリスクを下げることができます。現状品切れが続いていてまったく買えないのですが、在庫が復活したらひとつ買って備えておきたいと思います。
3. 究極の感染症対策は、普段からの健康管理
今回の新型コロナ騒動でわかったことは、感染症が流行するとどうしても高齢者や乳幼児、持病のある人はハイリスク集団になってしまうということ。家族に高齢者・乳幼児・持病のある人がいる場合は衛生用品を多めにストックしておき、消毒を徹底するなどの対策で感染症から弱い人を守らなければなりません。また、日頃の健康管理も重要です。できるだけ生活習慣病などの予防できる病気にはかからないようにすること、もし持病があれば健康診断や通院で日頃からコントロールしておくことが重要だと思っています。結局睡眠、栄養、運動と病気の早期発見・早期治療が大事という当たり前の結論になってしまうのですが、コレがなかなか難しいんですよね…。それができれば苦労しない、という感じではありますが、ワクチンや治療薬のない感染症との戦いは免疫力勝負になるので、感染症流行時には日頃の健康管理がじわじわと効いてくるのです。今回の学びを生かして健康に気をつけようと思います。まずは延び延びになっている健康診断の予約を入れないとなあ…。